私は2019年に娘を出産し、ついに子育て世代に属することになりました。娘が生まれてからもしばらく東京に住んでいたものの、徐々に夫婦共々東京に対して居心地の悪さを感じ始めました。
子供がいなかったら東京での暮らしはさほど苦にならなかったかもしれません。現に娘が生まれるまでは、私たちも東京で上手く生き抜いていたのですから。
しかし赤子を抱えて初めて満員電車に直面したとき、ここにいてはいけないという気持ちを覚えました。それが私たちが地方移住を検討するきっかけとなりました。
子育て世代は子供をみるので精一杯
私たちの両親はもちろん、周りの人々だって普通に子供を育てている。だから自分にも子育てはできるであろう。私たち夫婦はこれからどんな苦労がやってくるかも知らずに、育児というものを安直に考えていました。
大人が二人いれば、赤子の一人くらいなんとかなると思っていたものの、実際はなんとかならない。ロンパースってなに?という状態から始まった我が家の子育て。とくに1才になるまでの子育ては、修行に等しいくらい辛く険しい道のりでした。
もちろん私たちは娘を愛しているし、娘を産んで本当に良かったと思っている。でも核家族という形態は、子育てには適していないのは明らかでした。
東京での子育ては厳しすぎた
私は運転するのが苦手なので、車を所有していませんでした。主な移動手段は電車とタクシー。娘を一人家に置いておくこともできないため、出かける時は常に娘を連れて行きました。大使館に用事があれば六本木へ、美術館に行くときは上野へ。そうやって娘を一緒に連れていくものの、時間帯によっては満員電車となり、電車を何本か見逃すことも多々ありました。
「すみません」と周りの人に謝りながら移動を繰り返す日々に疲弊し、赤ちゃんに向き合っているだけでも精一杯なのに、さらに周りに気を遣わなければいけない。そう感じてから、だんだんと家に籠るようになりました。
でも好奇心が旺盛な時期に、ただ家にいるだけではもったいないし、娘の未来を考えたときにもっとアクティブに世界を経験させてあげたい。移動に関するハードルを下げつつ、外の世界に子供を連れ出す方法はないだろうかと考え、ついに地方移住というアイディアにぶつかりました。
地方移住という選択
私たちは検討に検討を重ねた結果、福岡に引っ越すことに決めました。これを執筆している現在、福岡に移住し半年が経ちますが、福岡移住という選択は正解だったと感じています。路線の数も少なく、満員になることもない電車。コンパクトな街に必要なものが集約されていて、近くには海も山もある。子供を冒険させるには十分な環境がそこにはありました。
デパートで買い物したければ天神に行けばいい。迷うことのないシンプルな街構造は、エネルギーを無駄に消費することがないので、これまでよりも子育てに多くのエネルギーを注げるようになりました。
同じことをしていても、自分がいる場所を変えるだけで易しくなることもあります。
東京での子育てが大変だなと感じている人は、ぜひ地方移住という選択を検討してみてください。
福岡移住のすべてがここに
私たちの福岡移住で実際に辿ってきた道筋を『よかばい、福岡移住』という本にまとめてみました。地方に移住したいと思っている方は、この本を読んでその一歩を踏み出してみてください。
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